栃木県を代表する清流・那珂川。
関東屈指の川下りスポットとして人気があり、カヤックやカヌー愛好者にもよく知られています。
今回挑戦したのは、烏山大橋から大瀬やなまで約12kmの区間。
しかし、この日はスタートしてわずか数分で、これまでの川下りで最も危険な状況に遭遇することになりました。
まずは動画をご覧ください。
スタート地点は烏山大橋、ゴールは大瀬やな
今回ご一緒したのは、昨年知り合ったTさんとSさん。
集合場所はゴール地点でもある大瀬やなです。
入口にはトイレもあり、春には桜が咲き、とても雰囲気の良い場所でした。
Googleマップでは「大瀬園地」で検索すると見つかります。
ここへ1台車をデポしたあと、もう1台でスタート地点へ向かいます。
出艇場所への行き方
出艇地は烏山大橋の下。
以前は途中にある「川魚たけや」の近くから出艇できたそうですが、現在は人工の堰が造られたため利用できません。
そのため橋の近くまで車で移動します。
駐車スペースは数台分ありますが、譲り合って利用しましょう。
なお、
- トイレなし
- 自販機なし
- 川を一度渡って本流へ出艇
という環境なので、事前準備を済ませておくことをおすすめします。



今年も昨年とほぼ同じ日に挑戦
訪れたのは2026年4月8日。
天候を待っていたところ、偶然にも昨年とほぼ同じ時期になりました。
昨年は、
大瀬やな〜道の駅かつら(約14km)
を下りました。
今回はそれより少し上流区間となる約12kmです。
「昨年より少し違う区間だから気楽かな」
そんな気持ちでスタートしたのですが、この考えが甘かったことをすぐに思い知らされます。


スタート5分で過去最大の危機
出艇して間もなく、
川は大きく左へカーブします。
私は後席。
前方は見えにくく、今回は奥大井川で転覆してアクションカメラを失ったこともあり、撮影より操船を優先することにしていました。
ところが…
視界に入った瞬間、
岸から突き出した巨大なテトラポット。
すでに流れに乗ってしまい、
避ける余裕はありませんでした。


カヤックが横向きになり完全停止
激流に押されたカヤックは、
テトラポットへ横付け。
船底が押し付けられ、
まったく動きません。
流れは次々と船内へ流れ込み、
少しずつ浸水。
このままでは沈んでしまうかもしれません。

テトラポットへ避難
幸い、
テトラポット上面には足を置ける程度の平らな場所がありました。
私は何とかよじ登り、
続いて妻も移動。
※動画中の写真はイメージですが、実際はもっと狭く、水位も高く、立っているだけでも非常に不安定な状態でした。
二人で全力で引っ張ります。
しかし、
まったく動きません。
押しても、
引いても、
びくともしない。
仮に外れても、
流されるカヤックへ飛び乗れる保証もありません。

「川へ入るしかないのか」
本当に途方に暮れました。
昨年、奥大井川で転覆した時の恐怖が頭をよぎります。
TさんとSさんも近くまで来ています。
しかし、
流れが速く、
助けに近付くこともできません。
地図を見ると、この場所は左カーブの瀬。
さらに岸から何本ものテトラポットが突き出しています。
ここで初めて、
人工構造物の怖さを痛感しました。
唯一見つけた脱出方法
諦めかけたその時、
テトラポット同士の間に隙間があることに気付きます。
「ここを通せるかもしれない。」
そこから、
二人で全力。
船体をコンクリートへ擦りながら、
数センチずつ方向を変えます。
何十分にも感じる作業でした。
そしてついに、
カヤックが隙間へ入りました。
今度は落差との勝負
しかし、
まだ終わりではありません。
テトラポットの下流側は、
かなり大きな落差があります。
このまま進めば、
船首から突っ込み、
転覆する可能性もあります。
それでも後戻りはできません。
二人でテトラポットを掴み、
最後の力を振り絞って前へ押します。
徐々に船首が下がり、
「終わった…」
そう思った瞬間、
船首が下流側の水面をうまく捉え、
そのまま滑るように着水。
奇跡的に転覆せず脱出できました。
今思い出しても鳥肌が立ちます。

次の難所は下野大橋上流
安心したのも束の間。
その先にも難所が続きます。
今度は瀬の先が、
ほぼ直角に右へ曲がるポイント。
場所は下野大橋の少し上流です。
流れは速く、
手前にも瀬があります。
急激に方向転換すると横転する恐れもあるため判断に迷いました。
その結果、
正面の崖へ激突。
幸い船体も無事で転覆もしませんでしたが、
かなりヒヤッとしました。




湖とはまったく違う難しさ
私たちは普段、
湖でのんびりカヤックを楽しむことが多く、
川の経験は決して多くありません。
瀬へ入るタイミング、
ライン取り、
流れの読み。
どれも経験不足を実感しました。
その後も瀬が次々に現れ、
スマホを持って撮影していても、
瀬が近付けば撮影どころではありません。
動画が揺れている場面もありますが、
それだけ余裕がありませんでした。

穏やかな区間は最高の景色
もちろん、
那珂川は怖いだけではありません。
瀬を抜けると、
驚くほど穏やかな流れになります。
皆で写真を撮ったり、
景色を眺めたり、
春の那珂川らしい気持ちの良い時間も楽しめました。
だからこそ、
終わってみれば忘れられない思い出になっています。


この区間は瀬が20か所近く
帰宅後、
地図で瀬を数えてみると、
それらしい場所だけでも約20か所ありました。
昨年下った
大瀬やな〜道の駅かつら区間より、
明らかに難易度は高く感じます。
もし那珂川を初めて下るなら、
下野大橋からスタートするコースの方が、
今回苦戦した2つの難所を避けられるためおすすめです。














那珂川で改めて学んだこと
今回最も感じたのは、
危険なのは瀬だけではないということです。
岸から突き出した
- テトラポット
- 護岸
- コンクリート構造物
こうした人工物は、
流れと組み合わさることで非常に危険になります。
事前に航空写真や地図で確認し、
経験者の情報も集めてから下ることの重要性を改めて実感しました。
まとめ
今回の那珂川は、
これまで下ってきた
- 利根川
- 釧路川
以上に緊張した川下りになりました。
自然の中で遊ぶカヤックは最高に楽しい反面、
一歩間違えれば危険とも隣り合わせです。
これからこの区間へ挑戦される方は、
瀬だけではなく、
人工構造物にも十分注意してください。
前回の川下りはこちら
次回のカヤック旅
この後は、
那珂川とは対照的に、
湖面をゆったり漂う最高の時間を満喫しました。
また、富士五湖や支笏湖、ながい百秋湖、接岨湖など、全国各地のカヤック・SUP持ち込み情報も紹介しています。
出艇場所や駐車場、トイレ情報まで詳しくまとめていますので、これから出かける方の参考になれば嬉しいです。
皆さんのおすすめの湖や川がありましたら、ぜひコメントで教えてください。
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「日本絶景カヤックガイド」
